本当?フィンランドに学ぶ発達障害の教育は時代遅れだと思う理由

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こんにちは、只野貭幹(@motomiki_lab)です。
学校とのやり取りで、「もっとこうして欲しい」と思っていることありますよね。
「うちの子はこうしてあげるとできる」と家庭では配慮している。

学校ではそれを《合理的配慮》と言います。
しかしそれを先生が一人ひとりに対応していくのは難しい現状がある。

でも特性も個性も様々です。
子ども一人ひとりの成長を考えてあげることは理想論なのでしょか?

私は発達障害の子どもが通う支援施設で仕事をしています。
業界最大手の会社で、児童指導員として毎日子どもたちと過ごしています。

先日に以下のツイートをしました。
その考えを掘り下げていきます。

「🗨️机に座って教科書を見る。私たちをそんな時代遅れの教育方法にしばる必要もありません。」
ほんとそう、だけど現場の人たちは≪自分の経験値≫からしか教えられない。
自分の学びが停止している😥

発達障害の教育は時代遅れ?

「放課後等デイサービス」という、障害児の通所支援サービス(児童福祉法)で働いています。なので放課後等デイサービスの教室で働いている中で、《児童指導員》という立場で感じていることをお話します。

私の主張は、発達障害の子どもに対する教育は《時代遅れ》だと考えています。

「幸せなことに、毎日子どもたちと楽しい時間を過ごしています。教室では、《療育》という子どもの発達を促すプログラムを提供しています。療育とは《治療》と《教育》の観点から支援するというものです。

日本で発達障害の子どもに対して療育を受けることができる施設は、「児童支援発達センター」「病院」「児童発達支援事業所」「放課後等デイサービス」などです。

放課後等デイサービスの現状

私はその放課後等デイサービスで働いています。子どもたちが放課後を過ごす場所です。私たちが学校まで迎えに行って、教室まで通ってきます。

その教室で毎日のように行われているのは、《子どもたちを抑圧》することです。「〇〇しちゃダメ!」「〇〇するように!」と言った言葉が飛び交います。でもそれは大人の勝手な価値観です。大概の考え方は「私が小学生の時にはそうしていた」という思い込みで、それが本当に良いことなのか考えていない。

思考が停止している人がほとんどですね。まったく大きなお世話です。

そういう人は知識を得る努力をしていない。今までの経験則だけで行動する。だけど時代や社会の需要は変化するし、医療や科学もつねに進歩する。最新の知見を学び続けないといけない。ましてや発達障害の子どもに教育として関わっているのなら、なおさらです。

それほど《発達の大事な時期》に関わっていることを、もっと真剣に考えて欲しい。

自分の頭で考えよう

今はグーグルで検索すれば、大概の情報は手に入れられます。頭のいい人たちが公表している《論文》だって読めます。ましてやスマートフォンがこんなに普及した時代ですから、情報収集の効率は格段に上がっています。

単純に《自分の頭で考えて行動していない》だけです。

少し私の周りの出来事についてお話します。教室では《個別療育》と《集団療育》のプログラムを提供しています。個別療育は学校の宿題を見てあげたり、日常生活についての支援を行っています。身の回りのことができるように支援することは、保護者からの要望も多く好評をいただいています。

余談ですが先日ある記事を読みました。

教育の面については、日本の方が断然良いと感じています。マレーシアの保育園ではいかに早く読み書きができるようになるかを重点にしていますが、日本では片付け、身の回りのことが自分でできるようになる練習、言わば<人としての基礎教育>を教えてくれるところに魅力を感じます。

小1の壁 ~「日本に異動したくない」ワーキングマザーの声~
https://news.yahoo.co.jp/byline/hiraiwakuniyasu/20180419-00084102/

成長を積み上げる

そして私が問題視しているのが集団療育です。これが1回きりでサッと終わる《子ども騙し》のようなプログラムで、教育とはとても言い難い。

毎月保護者へニュースレターを発行しているのですが、それに毎日行われる集団療育のプログラムが掲載されています。

毎日違う内容のプログラムを行う、私はこのことにも反対です。「子どもが飽きないように」という考えなのでしょうが、これでは発達障害の子どもたちに《経験や体験》が積み上がっていきません。1回きりで終わり。経験や体験がなにも残らない。

だからプログラムの内容も、教育としては指摘せざるを得ない。だったら療育なんて言わなければいい。お互い気が楽です。

個性を認めた発達障害の教育論とは

個性

私は「ダイコンこども食堂」の活動で発達障害の子どもに出会いました。

異業種から転職してきた私は、「2年間は勉強期間としよう」と決めました。そしてセミナーやシンポジウムなどに参加し、人に会ったりお話を伺ったりして最新の知見を学びました。

「なんでこんなにもエビデンス(科学的根拠)が発表されているのに、勉強して実際の仕事で活かさないんだろう?」と、そんな日々を過ごして考えていました。

個性を認めるとは

また最近ではダイバーシティ(多様性)なんて言葉も聞かれるようになりましたが、みなさんの周りではどうでしょうか。《異なる性質を尊重》していますか。しょせん他人のことなんて真剣に見ていないですよ。

それは教育の現場でも同じです。《みんなで椅子に座って前を向いて先生の話を聞く》、この教育体験を未だに引きずっている。みんなで一緒の行動をする。違う行動は許さない。自分の小学生時代の思い出以上のことは考えられない。

それは学ぶことを停止しているから無理もない。だから《みんなで一緒》の発想から抜け出せない。《個性を認めた》発達障害の子どもの教育なんて、まだまだ夢物語であることが現状です。

「活動中は体育座り」「おやつの時はおへそをテーブルに向ける」「大きい声は出さない」「単一の学習プリント」など、大人たちが理想としている姿を発達障害の子どもたちは均一に求められる。

別にその子が生きやすければなんでもいいじゃないか。「ラクな姿勢で座ったほうが集中して話を聞ける」「同じ所に長時間いるのが苦手」「聴覚に発達の遅れがある」「ここに線を引いてくれると読みやすい」のかもしれない。きっと「なんで体育座りじゃなきゃダメなのですか?」と質問しても答えられないでしょう。

例えばアメリカでは、椅子ではなくバランスボールに座って授業を受けています。発達障害の子どもと真剣に関わり、意識しないと個性や特性は分からない。それが分からないと、本当の支援は始まらないのです。

集団での学びが大切

放課後等デイサービスは学校が終わってから子どもたちが通ってきます。だから過ごせる時間が短い。でもその短い間に《個別療育》と《集団療育》のプログラムを行います。そして時間が余れば《遊ぶ》ことができる。

そう子どもたちは《忙しい》のです。学校に行って、放課後も療育活動を行い、家に帰ってからも日常生活にまつわるしつけを受けます。一体いつ安らげるのでしょう?なので、放課後は穏やかに過ごせる居場所を作ってあげたいと思っています。

放課後デイサービスで個別療育を行うことは反対です。だって関われる時間がすごく少ない。短い子どもだと1時間位しかありません。

だったら、せっかく他校の色々な学年の子どもたちも集まる場所なのですから、コミュニケーションに重きを置くべきだと考えます。そう集団療育や遊びです。

放課後は《面白い時間》であるべきです。友だちと楽しく過ごす時間を共有して、遊びでの関わりから社会性やコミュニケーションを育める機会となります。なんでこんな素敵な時間に、大人の勝手な価値観で 発達障害の子どもは怒られないといけないのか。まったく時代遅れだし、意味がわかりません。

【最先端】フィンランドに学ぶ発達障害の教育

フィンランド

教育について世界に目を向けると《フィンランド教育》が注目されています。

経済協力開発機構(OECD)が、2000年から3年ごとに世界の15歳を対象にした学習到達度調査(PISA)を実施していますが、そこでフィンランドは常に上位に入っています。

フィンランドは、2003年に「科学」「問題解決能力」「数学」「読解力」の4分野においてトップを占めたことで、世界的にも注目されるようになりました。

現在はシンガポールが上位を占めています。ですが小学校の卒業時に中学校に進学するためのレベル分けをする、PSLE(Primary School Leaving Examination)という全国統一テストを行います。これがその後の人生を大きく左右するので問題視されています。

さて特別支援教育を含めたフィンランド教育の特徴は以下になります。

8つの特徴
  1. 無料の義務教育で、貧富の差、性別や地域差が無い平等性
  2. 少ない授業量と年間授業日数
  3. 就学前から早期発見・早期支援が行われている
  4. 補習にも柔軟に対応し、落ちこぼれを作らない支援
  5. 修士課程を修了した専門性を持つ指導者
  6. 詰め込みではなく自主性に任せた教育
  7. 宿題やテストが少ない、競争を廃する指導
  8. 習ったことをきちんと身につけられているかどうかが大切
【参考文献】
棟方 哲弥*・海津 亜希子**・玉木 宗久***・齊藤 由美子(2010)
「諸外国における発達障害等の早期発見・早期支援の取り組み-米国,英国,フィンランドを中心に-」
(国立特別支援教育総合研究所研究紀要 第37巻)pp.34-41,
https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/398/a-37_01_2.pdf

素晴らしいですね!参考になる事例は日本の教育にも取り入れて欲しい。

インクルーシブ教育

また私はインクルーシブ教育に魅力を感じています。《発達障害のある子とない子》が同じ教室で学び、お互いを理解しながら教育を受けるとこが望ましいという考え方です。

この必要性は、あるダウン症の女の子との出会いから気付かされました。

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発達障害に仕事で関わり、生き方が変わった女の子とのエピソード

2019年6月22日

まずは放課後等デイサービスで働いている教室に通ってくれている子どもたちに、時代遅れでない発達障害の子どもと教育を一緒に考え学びながら作り上げて行きたいと決心しています。

ABOUTこの記事をかいた人

副業のために40代でプログラミング学習を始める。発達障害児の療育に携わる会社員として過ごしながら、「ダイコンこども食堂」を主催。23歳で会社を設立するが失敗。再起して35歳で飲食店を経営するが、またもや事業に失敗し貯金がゼロになる。そこから福祉業界に転身して複業との掛け算で自己実現を目指す。