私には子育てのない人生なんて考えられない

パパは脳研究者

『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』

読み進めながら思ったことは、「あ~また子育てをしたいな」と。ある意味じつに危険な本です。「あ~そんな事があったな」、と自分の育児経験を懐かしみながら読むことができました。

だから子育ての楽しさを物凄く思い出させてくれるのです。「子供が欲しい!」と素直に思ってしまいます。そして著者が脳研究者であることから、論理的にエビデンスを示しながら物語が進む展開に、とても納得することができました。「だからそうだったんだ~」と言った具合です。

そしてコラムも凄く参考になり腑に落ちました。発達障害児に携わっている私としては、発達段階を把握するための物差しにもなります。脳科学の観点から考察することにより、普段何気なく子供と接している時に心掛けていることが、立証でいる感覚を味わうことができます。

その事がとても嬉しい。応援されている感覚になり、心地良さを感じます。また自分の考えを伝える時に、「脳科学では~」なんてもっともらしく話すこともでき自分に自信が持てます。

子育て経験や独学での学びだけでは、「これでいいのかな?」と言う疑問は常に付きまといます。誰でも子供には素敵な人生を歩んで欲しいと、望んでいると信じています。時には自分と重ねて、「あの時こうすれば良かった」など不毛な思いを抱いているかもしれません。そう自分になし得なかったことを子供に託すかもしれません。

子供を教育する場面で「怒る」ことがあるかと思います。私は怒ることは好きではありません。何故かと言うと、私の価値観ではそのような人を見ていると、「怒る=感情的」だけだと思ってしまいます。

私は一般的に言われている「怒る」を3つに分けています。「怒る・叱る・躾ける」です。怒るは感情的に、叱るは威圧的に、躾ける道徳的に子供に伝えることだと自分に定義しています。いま子供と過ごす中で用いているのは、躾けることがほとんどです。たまに叱るを使います。怒ることはありません。

そんな心掛けを持っていますが、コラムで「しつけとは」を読んでとても参考になりました。「自分の考えを文章化してしてくれている!」と、とても嬉しくなってしまいました。

さらに脳科学の観点からも、脳が成長するのは「入力」より「出力」のほうが重要だそうです。だから今この書評を書いていることは、記憶の定着にとても良いとこなのですね。また「学習に答え合わせは必ずしも要らない」、これには驚きました。自分の答え、考えが正しいのかすぐ気になりますよね。でもこれが「正解を見ることに頼るクセがついてしまう」、なるほど。確かにそうかもしれません。

最後に著者は自分の子供が4歳を迎えるまでに目標にしていた発達段階がありました。それをテストするために用いたのが「マシュマロ・テスト」だったのも面白い。「あ~発達心理学の本で読んだな!」と思いました。果たしてその結果は。本書は著者の育児日記でありながら、脳研究者からの視点もある、強い説得力があり子育ての素晴らしさを思い出させてくれる傑作でした。

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学 [ 池谷裕二 ]

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